EDで病院へ行く場合、何科にいけばいい?原因別に選ぶ最適な診療科について解説

ED(勃起不全、勃起障害)

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

ED(勃起不全)に悩んだとき、病院で「何科」を受診すべきか分からず困っていませんか?本記事では、EDの原因別に最適な診療科の選び方を分かりやすく解説します。泌尿器科・心療内科・精神科、それぞれの役割や治療内容まで詳しく紹介しています。

EDとは?症状の定義とタイプを理解しよう

ED(勃起不全)は、性的刺激を受けても十分な勃起が得られなかったり、勃起を維持できず性交が行えない状態を指します。症状の深刻度には個人差がありますが、多くは一時的なもので終わることもあれば、慢性的に続くケースもあります。EDの原因は大きく3つに分かれます。

「器質性ED」は身体の病気(糖尿病、高血圧、動脈硬化など)が原因で、血管や神経の機能低下によって発症します。「心因性ED」は心理的な要素が関与し、ストレスやパートナーとの関係、過去の経験などが影響します。「混合型ED」はこれら両方の要因が重なったケースです。以下のように、原因ごとの特徴を整理できます。

分類主な原因特徴
器質性ED生活習慣病・老化勃起自体が困難。治療薬の効果が高い傾向
心因性ED精神的ストレス等朝勃ちはあるが性行為時に勃起しにくい
混合型ED両者の影響が重複原因の切り分けが難しく複合的な治療が必要

EDは体の不調のサインであることも多く、決して恥ずかしがるものではありません。早期に正しい診断を受けることで、QOL(生活の質)の向上にもつながります。


何科に相談すればいい?EDで受診すべき診療科

EDの診療を受ける場合、まずは「泌尿器科」の受診が基本です。泌尿器科では、男性生殖器を含む泌尿器系の疾患に精通しており、勃起障害の原因を多角的に診断します。身体的な問題(血流障害、神経障害、ホルモン異常など)があれば、専門的な治療が可能です。心理的な要因が強い場合は、泌尿器科と連携する形で「心療内科」や「精神科」も選択肢になります。以下は診療科ごとの特徴です。

診療科対応内容推奨される症状
泌尿器科器質性原因の検査・治療生活習慣病歴あり、加齢性EDなど
心療内科カウンセリング、心理療法性行為への不安・トラウマがある場合
精神科心の病との関連性の深いケースうつ病・パニック障害を併発している場合

このように、EDの背景によって適切な診療科が変わるため、まずは泌尿器科を入口に、医師の判断で必要な科を紹介してもらうことが最善の方法です。


ED診察で行われる検査と治療法の概要

泌尿器科での診察では、まず生活習慣や性生活の状況を確認する問診が行われ、必要に応じて血液検査、ホルモン検査、超音波検査などが実施されます。これによりEDの根本的な原因が明らかになります。治療法には、次のような選択肢があります。

治療法内容主な対象
PDE5阻害薬(バイアグラ等)勃起を促す内服薬。性的刺激が必要器質性・軽度の心因性ED
心理療法精神的要因へのアプローチストレスや性に対する不安が原因のED
陰圧式勃起補助装置(VCD)機械で陰茎に血流を促す高齢者や薬物治療の効果が薄い場合
陰茎プロステーシス手術で人工物を挿入する治療重度の器質性ED、薬が無効な場合

これらの治療法は、単独ではなく併用することで効果を高める場合もあります。治療の選択肢が多様化しているため、患者の年齢や希望、生活背景を考慮して選定されます。


EDに悩む人のよくある不安と解消法

EDの症状に気づいても「病院で相談するのが恥ずかしい」「誰かに知られるのではないか」といった不安から受診をためらう方は少なくありません。しかし実際には、EDは多くの人が抱えている症状であり、専門医にとっては日常的な診察内容です。

最近では、プライバシー配慮を重視したED専門クリニックが多数存在し、完全予約制や個室対応を採用しているところも増えています。また、以下のような不安を軽減する工夫も有効です。

不安の内容解決策
性の悩みを話すのが恥ずかしい同性医師を指名できる病院を選ぶ
周囲に知られたくない完全個室やオンライン診療を導入している医院を活用
処方薬に抵抗があるカウンセリングと並行した自然療法を相談

このように、現代の医療は患者の心のケアにも配慮されており、無理なく相談できる環境が整っています。まずは一度、気軽に医師へ相談することが第一歩です。


自己判断や市販薬の危険性とは?

EDに対して、自身で症状を判断し、インターネットや個人輸入で治療薬を購入して服用する人も見られます。しかしながら、これは非常に危険な行為です。市販薬の中には、違法成分や不純物が含まれている場合があり、重篤な副作用を引き起こす可能性があります。

特に、心臓疾患や肝機能障害を持つ方が誤って使用した場合、命に関わる事態にもなりかねません。さらに、EDの根本的な原因が生活習慣病やホルモン異常であるケースも多く、市販薬では対処できないことがほとんどです。正しい治療を受けるためには、医師による診察と処方が不可欠です。

ED治療は医療の一環であり、決して「性の問題」としてタブー視する必要はありません。安全かつ効果的な治療を進めるためにも、まずは専門機関での受診をおすすめします。


まとめ

ED(勃起不全)は、年齢にかかわらず誰もが経験する可能性のある疾患であり、身体的・心理的な要因が複雑に絡み合う症状です。泌尿器科をはじめ、心療内科や精神科などの専門医に相談することで、的確な診断と治療を受けることができます。また、治療法の選択肢は広がっており、自分に合った方法を見つけることが可能です。

恥ずかしさや不安を感じる方も少なくありませんが、医療機関ではプライバシーに十分配慮された環境が整っています。自己判断や市販薬の使用は健康リスクを高めるだけでなく、本来必要な医療を遅らせることにもなりかねません。

早期の受診と正しい知識を持つことが、健康な性と心のバランスを取り戻す第一歩です。今後の人生の質を向上させるためにも、EDに悩んだら躊躇せず専門医を訪れてみましょう。

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